事業実施の方針

 「新型コロナウイルス感染症」の影響が2年以上続いており、社会は大きな変化と危うさを浮き彫りにしています。幼児教育・保育施設でも園児や保護者、保育者の感染などにより、休園に次ぐ休園を余儀なくされる状況となっています。2020年に当協会が主体となり行ったアンケート調査では、保護者からの悲痛な叫びとSOSが発信されており、その状況が現在でも継続されていることが推測されます。また、地球温暖化に伴う相次ぐ気候変動と災害、少子高齢人口減少社会など、先を見通すことが難しい社会状況です。

 我が国においては、コロナ禍で加速する少子高齢人口減少社会と未婚、晩婚、晩産の流れは今後も続くことが予想され、過疎化や労働人口の減少が今後の大きな課題となり、幼児教育・保育施設においても、園児の減少に伴う経営の悪化、保育者確保の困難、利用定員や公定価格、配置人数の問題など課題は山積しています。

 このような社会状況の中で、認定こども園としての使命を考えた場合、その果たすべき役割は、「すべての子どもが子どもとして、豊かに成長することを支えるために、子育て家庭を支える」ことに他なりません。「制度を子どもたちのための制度」とするために、我々は何ができるか」を今一度考え直すべきではないでしょうか。どのような地域、家庭環境下においても、豊かに育つ子ども環境を作るために何ができるのかを、最重要課題として捉え、長年地域の教育・保育を担ってきた経験と信頼、そしてネットワークを有している施設であることを自覚し、改めて全国組織としての「使命 Mission」を問い、「展望・未来像 Vision」を、「熱意 Passion」を持って描きたいと考えます。そのためには我々全国認定こども園協会としてグランドデザインを策定し、臨むべきであると考えます。

 今年度は、子ども子育て新制度施行後8年目を迎え、令和3年4月1日時点で全国に8,585園を数え、在園児数も100万人を超えるなど、認定こども園は我が国における就学前の子どもの教育・保育に極めて重要な位置を占めています。保育の姿が変化していく中、制度10年見直し、3府省で開催される検討会、さらにはこども家庭庁創設など、子どもと子育てを担う世代と、それを取り巻く社会の現状を注視し考えるべき視点を整理する事が重要であることを踏まえ、令和4年度は下記の事項を重点的に取り組むこととします。

<重点項⽬>

1.当協会としてのグランドデザイン策定に向け検討を行う

2.⼦ども・⼦育て⽀援新制度10年⾒直しに向け、課題を整理し、対応するために、組織改編を行い、調査研究事業を中心にエビデンスに基づいた意見表明を行う

3.認定こども園の普及、会員拡⼤に努め、地区会並びに都道府県⽀部活動の促進を図り、⽀部設⽴を⽀援する

4.キャリアアップ研修会に対応する支部・地区・本部研修受講履歴管理体制を整備する

5.公益社団法⼈全国認定こども園研修研究機構との連携強化を図る

令和4(2022)年度 事業計画書

事業実施の方針

1)前文

 コロナ禍の不安が社会を覆う2年間を、実施可能な形を模索や工夫をしながら、各研修会を実施してきた。特に、令和2年度まで、一般社団法人の公益法人化を目指して研修事業の実績を積み上げつつ、教育免許更新講習実施の準備を続けてきたが、令和3年度4月に公益法人の認可を得て、教員免許状更新講習を実施することができた。と同時に、更新講習制度が終了することともなり、今後の研修の在り方を含めて、主体的、対話的深い学びを基本に、多様な研修実施が求められることともなった。

 このような状況の中で、今後の法人の在り方、全国認定こども園協会との関係性の確認、何より、各研修会の充実が求められる令和4年度を歩むこととなる。

 以下の重点課題を確認して、法人並びに各研修会の運営に当たりたい。

2)重点課題

1.法人運営の適正化、安定化

・役員体制を整え、より良い運営の在り方を模索する。・外部監査法人に監査業務を委託し、運営の透明化をはかる。

・団体会員である全国認定こども園協会との連携の中で、免許状更新講習終了後の当法人の使命や役割を確認し、連携・協力を強化しつつ、将来の在り方(合併、解散含む)を検討する。

2.各研修会の実施・質の向上

・研修会実施の体制を整える。特に、研修委員・協力委員が緊密に連携・協力・役割分担をしつつ研修会を実施することができるよう、検討・改善を重ねる。

・さらなる質の向上を求めつつ新たな研修会の必要性を検討、実施する。

・教員免許状更新講習制度終了後の研修の在り方を確認・検討する。また、キャリアアップ研修会への対応・転換など、現在実施している更新講習を含めた各研修会の活用をはかる。コンテンツの活用については契約や費用の変更など、必要な対応をはかる。

3.特定非営利活動法人全国認定こども園協会との連携
・研修履歴管理など、求められる事項への対応について、全国認定こども園協会と連携して整え実施する。

・認定こども園に求められる役割を踏まえて、全国認定こども園協会、同協会の各地区・各支部の研修との連携や役割を検討する。各地区・支部等の研修の内容の見える化をはかる。

・研修の充実を通して、全国認定こども園協会の運営の充実(会員拡大)に寄与できるようにする。

4.時代や社会の状況から、国・他団体との協力の可能性を探る

・内閣府、子ども家庭庁などから求められる内容、方向性を踏まえた研修の在り方を検討する。

・施設類型(幼稚園、保育園、認定こども園)の枠を超えた研修共有の可能性をさぐる。

3)会議

1.総 会

  日時:令和4年6月16日(木)

  場所:オンライン

  議事:第1号議案 令和3(2021)年度決算報告並びに監査報告について

     第2号議案 役員の選任について

2.理事会

  年間3回、5月、10月、3月に定期の理事会を開催する。また、必要に応じて、上記以外に臨時の理事会を開催することがある。

3.研修委員会

  研修会実施の必要に応じて開催する。また、協力委員も含めて委員の役割(委員長・副委員長・各実行委員)を明確にし、研修会ごとの実行委員 会を組織して、研修会の実施・運営に当たる。

4.実行委員会

  各研修会開催に必要な業務を担う実行委員会を組織し、役割(委員長・委員など)を明確にして、開催・運営に当たる。

5.認定こども園協会との連携会議

  理事・監事が出席し、全国認定こども園協会の担当委員と共に、連携のための会議を開催する。

4)実施事業

◆公益目的事業Ⅰ:教員免許更新講習事業
 受講期間:令和4(2022)年4月1日~6月30日

【必修領域:教育の最新事情】(6時間)
【必修選択領域:認定こども園教育・保育要領の改訂にもとづく園としてのさらなる向上への対応】(6時間)
【選択領域①:保育者の専門性と研修を通した学びの過程】(6時間)
【選択領域②:乳幼児の保育】
【選択領域③:保育とその思想の歴史的展開】
    

◆公益目的事業Ⅱ:各種研修会事業

1.ステップアップ研修会Ⅰ
受講期間:令和4(2022)年08⽉01⽇〜令和5年(2023)02⽉28⽇(予定)
方  法:オンデマンド配信

2.ステップアップ研修会Ⅱ
受講期間:令和4(2022)年08⽉01⽇〜令和5年(2023)02⽉28⽇(予定)
方  法:オンデマンド配信

3.ステップアップ研修会Ⅲ
受講期間:令和4(2022)年08⽉01⽇〜令和5年(2023)02⽉28⽇(予定)
方  法:オンデマンド配信

4.自己評価研修会Ⅰ
受講期間:令和4(2022)年08⽉01⽇〜令和5年(2023)02⽉28⽇(予定)
方  法:オンデマンド配信

5.自己評価研修会Ⅱ
受講期間:事業実施に向け検討中
方  法:ライブ配信

6.想いを受け取り対話で紡ぐ研修会
受講期間:事業実施に向け検討中
方  法:ライブ配信

7.新たに開催が求められる研修会
受講期間:事業実施に向け検討中
方  法:ライブ配信・オンデマンド配信

※各研修会において、キャリアアップ研修会への対応をはかる。

事業の実施に関する事項

1】認定こども園の普及、振興、運営改善に関する事業

〇トップセミナー2022・・・・・・・・・・・ 6/17

〇認定こども園経営セミナー・・・・・・・・・2月中

〇メディアとの意見交換会・・・・・・・・・・未定

〇アドバイザリーボードとの勉強会・・・・・・年15回

〇ICT研修会・・・・・・・・・・・・・・・・ 未定

【2子どもと子育て・子育ちに関する調査・研究や政策提言に関する事業

〇認定こども園に関する調査・・・・・・・・・年1回

〇公定価格や制度運用改善課題政策提言・・・・年1回

【3】子どもと子育て・子育ちに関する教育・保育の充実に関する事業

正副代表委員長等会議・・・・・・・・・・・・年12回

総務組織委員会・・・・・・・・・・・・・・・年12回

広報委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・随時

経営委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・随時

政策委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・随時

情報調査委員会・・・・・・・・・・・・・・・随時

特別委員会・・・・・・・・・・・・・・・・・随時

【4】子どもと子育て・子育ちに関する人材育成、資質の向上に関する事業

子どもと子育て・子育ちに関わる人材を育成し資質の向上のための研修事業
〇キャリアアップ研修会に対応する受講履歴管理体制を整備
〇地域活性化研修会
◆北海道地区
・臨時特例処遇改善の注意点/はぐくみ基金勉強会 ・・・5/9
・北海道地区地域活性化研修会・・・・・・・・・・・ 10/15
・各種研修会・勉強会(会計、公定価格、就業規則・ はぐくみ基金などについて)・・年数回
◆東北地区
・地域活性化研修会
◆関東地区
・地域活性化研修会
◆中部地区
・地域活性化研修会
◆近畿地区
・地域活性化研修会
◆中四国地区
・地域活性化研修会
◆九州地区
・地域活性化研修会

<支部>
◆岩手県支部
・保育者研修会(仮)ドキュメンテーションについて
・園長・設置者研修会1(仮)労務管理について
・園長.・設置者研修会2(仮)危機管理について
◆宮城県支部
・対面でのMeeting・・・・・・・・・・6月、8月、12月
◆秋田県支部
・マネジメント研修・・・・・・・・・・7月~12月
・食育研修・・・・・・・・・・・・・・11月中
◆福島県支部
・第 1 回園長・設置者研修会・・・・・・5月
・第1回リーダー研修・・・・・・・・・ 7月
・第1回実践研修会・・・・・・・・・・ 8月
・第 2 回園長・設置者研修会・・・・・・10月
・第2回リーダー研修・・・・・・・・・ 11月
・第2回実践研修会・・・・・・・・・・ 12月
◆栃木県支部
・栃木支部研修会・・・・・・・・・・・ 12/20
・栃木支部内部勉強会・・・・・・・・・ 年5回
◆群馬県支部
・幼保認こ合同就職説明会・・・ 7/107/10
◆長野県支部
・長野県支部 キャリアアップ研修会・・・・7月
◆千葉県支部
・千葉県支部主催 合同就職説明会・・・・ 6/15
◆富山県支部
・園長研修会「本県の子ども家庭室について」「令和4年度県幼児教育センターの取組み」・・・6月中旬
・職員研修会「保育現場における困り事相談事例」・・・・・10月中旬
・職員研修会「絵本との関わり」・・・・・・・・・・・・・2月下旬
◆京都府支部
・第2回研修会・・・・・・・・・・・・・10月
・第3回研修会・・・・・・・・・・・・・2月
・京都認定こども園就職フェア・・・・・ 5/15
◆奈良県支部
・奈良県支部研修会・・・・・・・・・・ 5月上旬
・保育情勢報告会・・・・・・・・・・・ 6月下旬
・奈良県支部研修会・・・・・・・・・・ 1月~2月
◆和歌山県支部
・教員研修会・・・・・・・・・・・・・ 2月
◆佐賀県支部
・第1回研修会「令和4年度認定こども園に関する施策等について(仮)」・・・7月
・保育者の資質向上のためのキャリアアップ研修会
・全国認定こども園協会佐賀県支部研修会(第2回~第5回)

【5】子どもと子育て・子育ちに関する活動を進める関係機関・団体等との連携事業

〇子ども・子育て会議への参加・・・・・・随時

〇基準検討部会 ・・・・・・・・・・・・ 随時

〇他団体との研修協力(共催・後援)・・ 随時

【6】子どもと子育て・子育ちに関する活動を進める諸団体と個人の交流・広報事業

〇会報43発行 ・・・・・・・・・・・・・ 7/1

〇会報44発行 ・・・・・・・・・・・・・ 9/1

〇会報45発行 ・・・・・・・・・・・・・ 12/1

〇会報46発行 ・・・・・・・・・・・・・ 3/1

【7】子どもと子育て・子育ちに関する心身の発達に寄与する事業

実施予定なし

【8】子どもと子育て・子育ちに関する学び合う、育ち合う事業

実施予定なし

【9】子どもと子育て・子育ちに関する保護者、地域住民を対象とした事業

実施予定なし

【10】子どもと子育て・子育ちに関する安全・安心できる事業

・保護者向け情報配信

・認定こども園保険事業

・はぐくみ基金 for kodomoen